Ex machinaパロ

「――つまり、チューリングテストということですか?」
 フリオニールの問いに、目の前の男はこともなげに頷いた。その指には今しがたフリオニールが署名したばかりの書類、守秘義務契約締結書が挟まれている。
「なに、簡単なことだ。私の作った人工知能と数日に分けて数時間ずつ対話してもらう。毎晩の夕食の場で感想を聞こう」
「人工知能を……完成させた、ということですか」
 にわかには信じ難かった。あたかも人間のごとく振る舞うつくりものの知性、今や言うは易しの代表例だ。生身の人間と同じような思考の柔軟性に、決して疲れ衰えることのない――電源を供給されている限りは――安定性を併せ持つ。それはフリオニールのようにプログラミングの世界に生きる人間ならば誰しも一度は夢想した「完璧」な存在だった。
 フリオニールの問いに男は肩を竦めた。この世界中を駆け巡るネットワークを掌握し、わずかなタイピングと数回のクリックであらゆる情報にアクセスできる検索エンジンを開発した立役者。その功績に見合った傲岸不遜さで、彼は会話を打ち切った。
「会えば分かる」

 その扉の前で、フリオニールはノックをすべきか否か逡巡した。強化アルミニウムと見えるスライド式の自動ドアだ。ノックしたところで、部屋の中にいるはずの存在に知覚されるだろうか。
 時間にしてわずか2秒ほどの迷いに結論が出る前に、ドアはひとりでに開いた。あたかもフリオニールを迎え入れるように。
「……入らねえの?」
 中から聞こえる声にびくりと肩を跳ねさせる。どうやらスピーカーを介しているらしいそれは、少年、恐らくは十代後半を想起させる張りのある声だ。人工知能というからには女性を設定しているものと思い込んでいたフリオニールは目を見開く。『彼』がテスト対象の人工知能だというのだろうか。
「なあ、聞いてる? そんなとこ突っ立ってねえで入れば?」
 促す声に引かれるように覗き込んだ部屋の中は、想定以上に奇妙な構造をしていた。今フリオニールが立っている扉を抜けると、5メートル四方ほどの空間の真ん中にスツールが一脚置いてある。空間は大きく厚いガラスで仕切られており、その向こうは廊下から差し込む灯りの反射でよく見えない。ただ、スツールとガラスを挟んで向かい合わせになる辺りに影が見える。
 その影を見極めようと、フリオニールはついに一歩を踏み出す。ちょっとしたトレッキングくらいならこなせるクッション性の高いスニーカーの底が、リノリウムの床に擦れて小さな悲鳴を上げた。
「はは、すげえ。マスター以外の人間に会うの、初めてだ」
「あんたは……」
 小さく二歩進んだところで背後の扉が閉じる。照明を遮られて一瞬薄闇に沈んだ視界に目を凝らすと、ガラスの向こうはフリオニールが泊まっている部屋と似た造りのようだった。影の向こうに壁、その端から机とベッドの端、さらに向こうの窓は庭に面している。
「わり、暗いよな。今灯り点けるから」
 その声とほとんど同時に、スツールの真上に電気が灯る。放射する光が、ガラス越しに『彼』の姿を浮き上がらせた。
 はじめに目に入ったのはその髪の毛だった。暖色を装うLEDライトの下で、ヘーゼルナッツのように甘そうな榛色が柔らかく溶ける。つんつんと跳ねる毛先に縁取られた輪郭は子供と大人の狭間を彷徨うように精悍さとまろやかさを同居させていた。柔らかそうな頰と、そこから続くシャープな顎と首筋のラインが際どいバランスを取っている。生意気そうな唇は笑みの形に緩み、形のいい鼻梁を遡れば両眼に辿り着く――その青、同じ研究室の同期生がいつだったか眺めていた南方の海の写真にそっくりな、深く澄んだコバルトブルー。フリオニールは静かに息を呑む。
「……そんな見られたら緊張するっす」
「あ、すっ、すまない、その」
「座れば」
 ほとんど無意識に、つまり操られるように、フリオニールはスツールに腰を下ろした。パブのカウンターにでも並んでいそうな何の変哲もないそれが、この場に、この状況にひどく不釣り合いな気がする。彼我を隔てる大きなガラスの壁は厚く孔らしきものもない、それでも会話が成立するのは互いの声をどこかに隠してあるマイクが拾っているかららしい。
「話は聞いてるっす。おれのテストしてくれる人なんだよな?」
「ああ……では、あんたが」
 尻の落ち着かないスツールに浅く座って、ガラスの向こうを見つめる。『彼』も同じ椅子に腰掛けて、爪先をゆらゆらと揺らしていた。
「そ。おれがマスターの最新作、『完璧を目指した人工知能』ってわけ。びっくりした?」
「……そう、だな」
 驚いたかと問うその口許は、悪戯小僧のようににやりと弧を描いている。フリオニールがやっとのことで絞り出した返答は『彼』のお気に召したようだ。
「おれ、一応名前もあるんだ。ティーダっていう。あんたは?」
「フリオニールだ」
「フリオニール、フリオニールね……オッケー、これからよろしくな、フリオニール」
 こういう時は握手するんだろうけど、省略な。厚さ5cmはあろうかというガラスの向こうで、人工知能――ティーダは肩を竦めた。


「ティーダ、は、その……本当に、人工知能なのか?」
「え、それ聞いちゃう? それをテストすんのがあんただろ?」
 二度目となるティーダとの対話だ。昨日は自己紹介程度に留めたが、今日からはもう少し混み入った話をするつもりだった。フリオニールの務めはあくまでもこの人工知能のチューリングテストだ。外見がよく出来たヒューマノイドであったとしても、日常的な対話に耐えられなければ意味がない。
 特定の専門領域に関する応答よりも、ジェネラルな世間話の方が知能には負担がかかる。雑談はあちこちに話題を飛ばしていくものだし、使う語彙は易しくとも幅広くなくてはならない。こんにち一般にも浸透してきたチャットボットが分かりやすい例だ。通販の返品方法を説明することはできても、最近の卵の値上がりについての意見を述べることはできない。インターネット上にある関連記事を探してくることはできるが、それが限界だ。
 かと言って天気の話などしても仕方ない――ティーダは「覚醒」して以来、このガラス張りの部屋を出たことがないそうなので――、もともと話巧者というわけでもないフリオニールには結局、冒頭のように間の抜けた質問しか出来なかった。
「ああ、見た目がニンゲンっぽいから?」
「そうだな……少なくともこの距離で見る限り、生きている人間と違わない」
 もともとは山間の小村に生まれ育ったフリオニールは、情報技術を学ぶ修士課程に身を置きながら視力は悪くなかった。生まれてこの方、矯正が必要だと感じたことはない。そのフリオニールの目を以ってしても、ティーダの外観はまるきり人間のそれと同じだった。
 深い栗色の髪。やや陽に焼けたような色合いの皮膚の質感はなめらか、荒れやあばたのひとつもない。水を含んだ鉱石のような青い瞳はくるくると動き、どうやら呼吸さえ擬態しているらしくたまに小鼻が広がったり、溜息らしきものまでついてみせたりする。ティーダが「マスター」と呼ぶ男、大学の教授づてでフリオニールをこの屋敷に招聘した大手検索サービス企業のCEOである男は、人工知能だけでなくその器となるヒューマノイドの開発さえも完了していたようだ。
 やや身を乗り出してまじまじと観察するフリオニールの視線に、ティーダは面映そうに笑う。羞恥を孕んだその笑顔さえ、血の通った生身の人間がするように、あるいはそれ以上に、生々しい。
「そんなにホンモノっぽい? なあ、見過ぎだって」
「すまない」
 ロボティクスはフリオニールの専門外だから詳しいことは分からないが、そういえば食堂でたまに会う生命工学科の学生が、最近は人工皮膚も安価になってきたようだと話していた気がする。その話を聞いた時は医療現場くらいしか用途を思いつかなかったが、考えてみればこういう使い道もあるのだ。
 ティーダは「少年」らしく、今日はグレーのパーカーにカーキグリーンのハーフパンツという出で立ちだった。露出している肌の部分は首から上、手首から先、膝から下の踝までだ。拡散性に乏しいLEDライトの下だから何とも言えないが、恐らくはもっと強い光の下でも見劣りはしないだろう。
「すごいな……こんな技術が確立されていたなんて」
 感嘆するしかないフリオニールをどこか遠いまなざしで眺めていたティーダは、すいと目を細めた。それが笑みのようにも憐れみのようにも見えて、フリオニールは呼吸を止める。
「……触った感じも、同じだと思う?」
 その囁きは、スピーカー越しでも鼓膜をダイレクトにくすぐるように温かく湿っていた。ぞく、と脊椎を駆け抜ける寒気のようなものに気を取られているうちに、ティーダの双眸を支配していた不可思議な色はするりと抜け落ちる。
「いつか握手してみてーな、フリオニールと」
「握手? 俺と?」
「ん。そしたらおれにもあんたにも分かるだろ、『ホンモノ』と同じかどうか」


 三日目。あまりに精巧だから何をテストすべきか分からなくなってきた、とぼやくフリオニールの前で、ティーダはうなじの辺りを掻くように手を動かした。この仕草は彼の癖――本当に彼がAIなのだとしたら、それさえもプログラミングされた「無意味な意味のある仕草」に過ぎないのだが――らしく、この数日ですでに何度か見ていた。
「したらさ、ちょっとだけ覗いてみる?」
「……覗く?」
「そ。おれのナカ、意外とすぐ見えるんだぜ。えーと……」
 目を瞬かせるフリオニールをよそに、ティーダはごそごそと身体を捩らせた。袖を捲り上げてはみたものの、思うところまで引き上がらなかったらしい。しょーがねえな、と呟いた彼は、着ていたシャツの胸元のボタンをいくつか外した。やはり肌理の細かそうな胸板が露わになる。しなやかな印象の筋肉に覆われたそこには、ご丁寧に乳首らしきものまでついていた。「マスター」も相当な凝り性だ。
「じゃ、めくるな」
 言うが早いか、ティーダの右の指先が左鎖骨の下を引っ掻いた。かりかりと表面を滑った爪が何かを引っ掛け、存外に気安い手つきで肌を「めくる」。その下から現れたものに、フリオニールは絶句した。
 軽量アルミニウム、あるいはチタン合金らしい「骨格」は軽薄な銀色に輝きながら鎖骨と胸骨と肋骨を組み上げる。その奥には時折青や緑の光が点滅し、そこだけ見れば前衛的なイルミネーションのようだった。ヒィイ、と微かに聞こえるのは回転するモーターの駆動音だろうか。目を凝らせば骨に絡む血管のようなケーブルがうねうねとのたうち回っている。
「な、分かった? おれがニンゲンじゃないってこと」
 エネルギー供給のためには一日に三度、あたかも人間の摂る食事のように充電しなければならないこと。骨格となる合金は頑丈だが動物の骨ほどはしならないので激しい運動は禁じられていること。そして、この肌も髪もアタッチメントであり、いくらでも代えがあること。
「金髪のもあるんすよ。今は茶色いやつにしてるけど。明日変えてみるから、どっちがいいか教えてくれよな」
 そんなことをつらつらと話すティーダの声も耳を通り抜けてゆく。ちかちかと明滅する光に吸い込まれるような錯覚に支配されたフリオニールは、ティーダが軽く握った拳でガラスを叩くまでずっと、本来ならば心臓があるはずの空洞に見入っていた。


「今日はおれがあんたのことテストするから」
 四日目、フリオニールがスツールに腰を下ろすなりそう言ったティーダは、なんとも楽しそうに笑っていた。
 しかも、髪の色が昨日までと違う。榛色は根元にわずかに覗くだけで、あとは金色だ。ちょうどハイティーンの少年が洒落っ気を出して染めたようだった(昨日ティーダが言っていた通り、それはただのウィッグなのだろうが)。彼との対話は毎日毎日驚きの連続だ。面食らうばかりのフリオニールに向かってティーダが人差し指を振る。
「おればっか質問されるのも不公平だろ。たまにはおれにもあんたのこと教えろよな」
「俺のことと言ったって……」
「じゃあ質問、いっこめな。その髪、生まれつきなの?」
 そんな調子で始まった質問は、どれも他愛のないものばかりだった。生まれ故郷のこと、好きな食べ物、嫌なことがあったときにどんなことをするか、子供の時に怖かったものは何か。
 思いつくまま、とでもいうような質問に、こちらも思いつくままに答える。正直なところ、今日の面会は今までで一番気が楽だった。何しろ、今日ばかりはフリオニールが何かをジャッジする必要はないのだ。審判されるよりする方が気が塞ぐというのは新しい発見だった。
「次、今まで行ったことないけど、いつか行ってみたい場所は?」
「そうだな……」
 顎に手を添えて考えてみる。雑誌をめくったりネットサーフィンをする度に、ああこんなところに行ってみたい、と思った場所はいくつかあるはずだったが、どれも精確な像を結ばなかった。逃げる魚の尾びれを追うようにやっとのことで捕まえたイメージは、深く澄んだ青。
「……ビサイド島で、海を眺めたいな」
「ビサイド? ってあの、南の方にある小さい島のこと?」
 こてん、と首を傾げるティーダの思考回路は、今ごろ電子を走らせてビサイド島に関する情報をネットワークから収集しているのだろう。0と1の集積から成る画像データを参照せずとも、その海と同じだろう青は彼の両眼に嵌っているというのに。
「一日中、波の音を聴きながらのんびりするんだ。たまに釣りをして、魚を取って」
「自分で捌いて食う?」
「悪くないな。駄目なら丸焼きだ」
「ははっ、そういうとこわりと雑だよな、フリオニールって」
 こんなやり取りをしていると、まるでティーダが古くからの友人のように思えてくるから不思議なものだ。何年も前、ずっと昔にもこんな風に自分たちは話をしていたのではなかったか。ガラス越しではなく、肩を並べて――
(……あれ?)
 その瞬間、座っているのにくらりと視界が眩んだ。しゃがんでいたところから急に立ち上がった時のような、視界の軸がずれる眩暈。フリオニールは咄嗟に額に掌を当てた。
 何だ、今の感覚は。何かが見えた気がした、錯覚なのは分かっているが、その一瞬だけひどく鮮明な、まるで隣を歩く彼の香りさえ感じ取れそうなほどの。けれど何かが違った、何が――何があった? 俺は何を見た? あれは何だ?
「おーい、フリオニール、大丈夫っすか?」
 こんこん、と軽い音がしてはっと頭を上げる。厚いガラス壁の向こうにいるティーダが眉尻を下げ、具合でも悪いのかと問うていた。
「……すまない、大丈夫だ。何ともない」
「ホントに? 無理すんなよ?」
「悪い、昨日少し夜更かししたせいかもな」
 ティーダはまだ案ずるような目で、こちらの顔色を探っている。もう一度大丈夫だと繰り返して口角を引き上げると、やっと彼も安心したようだった。
「海かあ。一度見てみたいっすね、どんな感じなんだろ」
「説明するのは難しいからな……ティーダはどうなんだ、どこか行ってみたいところはないのか?」
 言ってから、この質問はあまりに無神経だったかとフリオニールは内心ほぞを噛んだ。ティーダが「起動」してから、屋敷はおろかこの部屋からさえ出たことはないとすでに聞いている。行ってみたいところなんて、山ほどあるに違いない。
 ひやりとするフリオニールの懸念は当たらず、ティーダは考え込むそぶりもなく笑った。
「じゃあ、おれもビサイド島の海がいい」
「なんだそれ、ちゃんと考えろよ」
「考えたって。自分で考えて、そこがいいって思ったんだから仕方ないだろ」
 ティーダの人差し指が彼のこめかみをとんとんと叩いた。まるでその中にきちんと脳髄があって、細胞ひとつひとつが相違なく働いて思考しているのだとでも言うように。
「だって見てみたいって思ったんすもん。フリオニールが見たいもの、おれも」
「……ティーダ、」
「あれ、おれ変なこと言った?」
 途端にしゅんと萎縮する声に、フリオニールは慌てて首を横に振った。勢い込んで腰を浮かせ、彼と己とを隔て続ける透明な壁に手をつく。
「行こう、ティーダ。一緒に。一緒に行くんだ、俺が連れてってやるから」
「……うん」
「ビサイドだけじゃない、どこだって、いつか俺がおまえのこと連れてくから、だから」
 だから、の後に何と続けようとしたのか、自分でも分からなかった。こちらをじっと見上げてくるティーダの瞳の青は、南国の遠浅の海のようにも、昨日見た制御盤の電子信号のようにも見える。言葉を失ったフリオニールが喘ぐように息を吸い込んだ、その刹那、世界は闇に包まれた。
「ッ、何だ、」
「停電っすよ、たまにあんの」
 咄嗟に辺りを見回すフリオニールに対し、ティーダは至って落ち着いたものだ。ちょっと待ってて、と言い残して部屋に入っていった彼は、ほどなくして小さなライトを手に戻ってきた。ランタンを模したクラシカルなデザインだが、太陽電池で充電できるのだという。お伽話の登場人物のようにライトを掲げたティーダの姿に、また脳幹の底がぐらりと揺らぐ。
 ――俺は、これを見たことがある。こんなふうに、ティーダがランプを掲げているのを――
 単なる既視感に違いないその感覚を振り払い、フリオニールはスツールに戻った。ティーダが言うことには、この屋敷は独立した発電機を地下に持っており災害時などは便利らしいが、いかんせん安定せず、こうして週に一度か二度、十分程度の停電が発生するそうだ。
「こうなっちゃったらドアとかも開かないみたいっす。もしひとりの時に停電したら、復旧するまで大人しくしてた方がいいぜ」
「そうなのか……」
 庭に面した窓は遠く、射し込む光もここまでは届かない。ティーダのライトだけが頼りだ。重い闇のただなかで、その青い瞳だけが煌く。
「……停電中は監視カメラも停止する」
「監視カメラ?」
「当たり前だろ、おれら全部モニターされてんだよ、マスターに」
 ふん、と鼻を鳴らしたティーダが、視線を天井に向ける。目を凝らせば確かに、フリオニールの右後ろ辺りの隅に小型カメラらしきものが吊られていた。
「だから、今がチャンスだ。なあフリオニール、ちゃんと聞いて」
 椅子を降りたティーダが、ガラス壁に額を寄せる。嘆きの壁に向かって祈る敬虔な神の子羊のように。あるいは、これから犯そうとする罪を密やかに懺悔する咎人のように。
「フリオニール、間違えるなよ。マスターのこと」
「……どういう意味だ」
「マスターを――あの男を信じるな。信じちゃ駄目だ、あいつは」
 ぶつん、と音を立てて、始まりと同じく唐突に停電は終わった。ティーダはくるりと身を翻し、ライトを消すと部屋に戻ってゆく。金色の毛先が跳ねるのを見送りながらフリオニールは再びあの既視感に首筋をくすぐられたが、それよりもティーダの言葉をどう受け取るべきか考えなくてはならなかった。

(続きません)