千年後の約束

 降り注ぐ太陽の光をぎゅっと束ねてかたちにしたような、つやつやの毛並み。晴れの日の凪の海を汲み上げたような、澄んだ青い瞳。爪の先までぴかぴかに整えられて、ご自慢の尻尾を揺らす風は今日も爽やかだ。

 ティーダはいつもの見回りコースを歩いていた。天気、快晴。風向き、東。風の強さ、ちょうど気持ちいいくらい。気温、意外とあたたかい。
 人間も鼻歌を歌ったり、スキップしたりと浮かれたくなるようなこの陽気。猫のティーダにはどちらもできないけれど、やっぱりご機嫌なことには間違いなかったから、昨夜飼い主にブラッシングしてもらって完璧なコンディションの尻尾を大きく揺らす。
 飼い主のクラウドは、ちょっとぶっきらぼうな感じがするけれどとても親切だ。意地悪な子供の悪戯で段ボール箱に詰められて川に流され、小さな身体でみいみい鳴くしかなかったところを、彼が助けてくれた。
 あれはちょうど三年前の今ぐらいの時期、だから川の水は冷たかっただろうに、犬よりも大きな鉄の塊(ばいく、というのだとクラウドが教えてくれた。とてもうるさいけれど、とても速く走るから便利だし楽しい)をその場に転がしたクラウドは川に飛び込んで、ティーダを救ってくれた。
 生まれてすぐにあんな酷い目に遭わされたティーダは、正直なところ、ニンゲンというやつが得意ではない。けれどいくらか例外もあって、その筆頭がクラウドだ。彼は優しい。美味しいごはんをくれるし、丁寧にブラッシングもしてくれる。いろんな玩具で遊んでくれるし、寝るときはベッドに招き入れてくれる。たまに風呂に入れようとするのと、何も言わずティーダの腹に顔を埋めてすーはー呼吸するのには辟易するけれど、それ以外は大好きだ。
 こんなによくしてくれて、クラウドは不思議なニンゲンだと思う。どうしてかな、と考えながらブロック塀の曲がり角に立ち止まった。
(やっぱ、おれがかっこいいからかな?)
 ぴんと伸びたひげに春を感じながら考える。うん、きっとそうだ。ティーダは動くものを捕まえるのが得意だし、走るのも速いし、高いところからジャンプしたときの着地フォームなんか、自分でもどきどきしてしまうくらい完璧だ。鳴き声だって悪くない。
 ふ、と鼻をくすぐる甘酸っぱい芳香を追う。きょろきょろ見回すと、少し行ったところに蘇芳色の蕾を散りばめた枝が見えた。気の早い梅がもう綻び始めている。この間やっと沈丁花が咲いたと思ったのに、この暖かさのせいだろうか。胸の奥がそわそわするような香りに誘われるまま、ごつごつした塀に爪を引っ掛けて、ぴょんと飛び上がる。幅の狭いブロックのてっぺんに危なげなく立つと、そよそよ吹く風が気持ちよかった。
 一枝拝借して、クラウドへの土産にしてやろうか。このところ「しごと」とやらが忙しいらしくて、帰りも遅いしいつもより疲れた様子をしている。一昨日なんて帰ってくるなりソファに突っ伏してしまったから、ティーダが尻尾ではたいたり手を舐めたり背中で跳ねたりして起こしてやったのだ。ニンゲンは図体は大きくて指先は器用だけれど、こうして面倒を見てやらないといけないこともあるから気が抜けない。
 ではさっそく、と空に伸びる細い枝を捕らえようと伸び上がったところで、誰かがティーダの名前を呼んだ。
「こんにちはティーダ、今日もいい天気だね」
 ティーダを見上げた目を細めて笑っているのは、銀色の柔らかそうな髪を風に遊ばせた綺麗な青年だった。セシル、と呼び返したけれど、セシルもクラウドもティーダの言葉を解さない。こっちは何を言っているかちゃんと分かるというのに、不便なものだ。
 梅の花はいったん置いておいて、ブロック塀から飛び降りる。元気だね、と笑うセシルの指に顎を撫でられていつもの挨拶。彼はクラウドの友達で、ティーダが拾われた時になにくれとなく手助けしてくれたヒトだ。クラウドは猫と暮らしたことなんかなかったけれど、セシルが病院から餌からトイレからいろいろとアドバイスしてくれたおかげで、ティーダの暮らしは初めから快適だった。
 セシルが手に大きなケージを提げている、その中から元気のない声がにゃあと鳴いた。
「……ティーダか?」
「フリオニール! どうしたんすか?」
 ごろごろと気持ちいい指を振り払ってケージに飛びつく。金属の網越しに、銀色の毛を纏った猫が長い尻尾をくるりと丸めてうずくまっていた。
 フリオニールはセシルと暮らしている猫で、ティーダの親友だ。クラウドとの暮らしに慣れたころ引き合わされて、ニンゲンたちは心配していたようだったけれどあっという間に仲良くなった。ティーダよりも大きな身体をしていて力は強くても、気は優しい。その彼の、夕日を閉じ込めたような瞳が今はしょんぼりとしていた。
「どうしたんだよ」
「ちょっとな」
「フリオニールはね、また喧嘩をしたんだよ。それでお医者さんに行ってきたのさ」
 ティーダが鼻を動かせば、セシルの言う通り消毒液のにおいがした。道理で元気がないはずだ。
「なんだよ、まさか皇帝サマのところ行ってきたのかよ?」
「ああ……」
「ひとりで行くなって言っただろ」
「すまない、でも我慢できなくて」
 皇帝サマ、というのはこの街で一番の豪邸に住むえらそうな猫のことだ。金ぴかの毛にギラギラ光る宝石付きの首輪をして、とんでもなく高飛車だから「皇帝サマ」と呼ばれている。ちょっと妖しい感じの美女と一緒に何不自由ない暮らしをしているくせに、たまに外に出てきては野良猫の食べ物を横取りしたり、せっかく整えた寝床を引っ掻き回したりするからみんな迷惑していた。セシルに拾われる前は野良で苦労していたフリオニールのことだから、それが許せなかったのだろう。
「そんで返り討ちにされてたら意味ないっすよ!」
「うう……」
 にゃあにゃあ騒ぐティーダに、耳までぺしゃんこにして縮こまるフリオニール。二匹の様子をしゃがみこんで見ていたセシルが小さく笑った。
「ほら、言っただろうフリオニール。きっとティーダが怒るよって」
 これで勘弁してあげて、と宥めるような声のセシルが、ケージの餌箱からにぼしを差し出してくれる。遠慮なく頂いてから、ティーダはケージの出入り口を叩いた。
「まあいいや、遊びに行くっすよ」
「しかし」
「いいっすよねセシル、フリオニールが喧嘩しないようにおれが見張っとくっす」
 とびきりのかわいい顔でセシルを見上げると、猫語の分からない彼もさすがにティーダの言わんとするところを察してくれたらしい。やれやれあざといなあ、なんて呟きながらもケージを開けてくれる。
「今日はいい子にしててくれよ? 次にやったらおやつ抜きだからね」
 そろそろと這い出して来るフリオニールが、おやつ抜きと聞いてぴんと毛を逆立てた。野良根性が染みついた彼は甘やかされることにも、贅沢な食事にもまだ慣れないようだけれど、そんなものなくたって平気だと飄々としていられるほど無頼派でもない。
 おろおろしているのがなんだか微笑ましくて、ティーダは彼の背中を尻尾で撫でてやった。顔も腕も傷だらけなのに背中は綺麗なもので、フリオニールがあの皇帝サマ相手でも果敢に立ち向かっていったのがよく分かった。

「それで、何して遊ぶんだ?」
「そうっすね……」
 日が暮れるまでには帰っておいでね、と言うセシルの背中が角の向こうに消えて、二匹は向き直る。河原で追いかけっこも路地裏の探検もいいけれど、どこで皇帝サマに出くわすか分からないから、今日のところはやめておいたほうがよさそうだ。
「あっ、そうだ。あそこ行ってみようぜ」
「あそこ?」
「前にフリオニールが見つけた家あっただろ、静かで庭がキレーな、猫好きのおっさんがいるとこ」
 あっちのほう、と尻尾を伸ばすと、フリオニールもぴんと来たようだった。
 そこはどうやらニンゲンの男がふたりで住んでいるらしい。どちらもクラウドたちより幾分か年上で、ふたりとも黒い髪をしている。ひげを生やした方がどうやら猫好きらしい、という話はこの街の猫コミュニティでも評判で、食べ物にありつけなかった野良たちがたまにお世話になっていた。
「今日は静かなところでのんびりするっす」
「そうだな」
 消毒液のにおいが煩わしそうなフリオニールの毛づくろいをしてやろうか、それが済んだら日だまりで昼寝するのも悪くない。運が良ければひげのおっさんがおやつくらい出してくれるかも。ちょっとした期待に胸を弾ませながらティーダは歩き出した。
「傷、大丈夫なのかよ? 痛くねえ?」
「ああ、大したことないさ。あちこちから血が出てたからセシルを慌てさせてしまって」
 フリオニールは鉄のようにぴかぴかの銀色の毛をしているから、よけいに赤い血が目立つのだろう。悪いことをした、とまたしょぼくれる彼の尻尾に自分の尻尾を絡めて引っ張ってやる。
「気にすんなって。間違ったことしたわけじゃないんだし」
「ああ」
「でも、次やるときはおれも連れてけよな。取り巻きの連中は引き受けてやるからさ」
「ありがとうティーダ」
 おまえは俺を励ますのが上手いな、とやっと笑ったフリオニールの声に満足しているうちに、目的地にたどり着いていた。小ぢんまりとした家に比べて大きな庭は、さほど作りこまれてはいないけれどいろんな草花が勝手に生えていて居心地がいい。二匹は門の隙間からするりと身体を滑り込ませた。
「……留守っすかね」
「そうかもしれないな」
 それぞれひげを張って気配を探ってみたが、ニンゲンのいる様子がない。おやつ作戦は失敗か、とがっかりしながら庭の奥に回ると、ぴくりと震えたフリオニールがティーダの背中を甘噛みして引き留める。
「わ、なんだよ」
「誰かいるぞ」
 鋭い声につられて全身を緊張させたティーダは、恐る恐るフリオニールの視線を辿った。ウッドデッキの上、パラソルの陰に置かれたガーデンチェアに、確かにニンゲンが寝そべって本を広げている。ひげのおっさんではない、髪がもっと長くてまっすぐだ。
「ニンゲンのにおい、しなかったのに……」
 自分はそんなに鈍かっただろうか、けれどフリオニールだって驚きを隠しきれずにその切れ長の瞳を丸くしている。どうしよう、戻るべきだろうか。硬直する二匹、その時不意に吹き寄せた風が細い草を揺らして、ティーダの鼻をくすぐった。
「――っくちゅっ!」
 可愛らしいくしゃみに、ニンゲンがぴくりと身じろいだ。本を閉じてゆっくりと起き上がる。
「……誰かいるのか」
「ッ、逃げるっすよ!」
 弾かれたように身を翻すティーダに引きずられてフリオニールも跳ねる。しかし、背後から伸びてきた白い手に首根っこをつまみあげられて、フリオニールはあっけなく捕らえられてしまった。
「うわあ! ティーダぁぁぁ!」
「なんだ、猫か。怪我をしているな」
「ふっ、フリオニールを放すっすよ!」
「こちらもずいぶん毛並みがいい」
 咄嗟にニンゲンの脚に飛びかかったが、爪を立てるまでもなくやはりつまみあげられてしまう。ぷらーん、とぶら下げられながら見たその目は、秋の彼岸花よりも深い赤だった。
「放せえええ」
「もう勝手に入ったりしませんから!」
 ニンゲンには伝わらないと分かってはいるけれど、それでもみゃあみゃあ騒ぎ立てる二匹をとっくり観察していた赤い目の男は、ややあってふっと表情を和らがせた。
「そう喚くな、心配しなくていい。猫と話すのも久しぶりだ。ゆっくりしていけ」

 男は綺麗な水を満たした器を用意してくれて、ティーダとフリオニールが渇きを癒すのを眺めている。その手にはきらきら光る細いパウチ――クラウドやセシルがたまにおやつにしてくれるやつだ――をひらひらと弄んでいた。
「落ち着いたか」
 こっちへ来い、と手招かれて、恐る恐る近づく。まだ警戒の解けていないフリオニールに尻尾を引かれたけれど、ティーダはあえてもう一歩を踏み出した。こんなに近づいてもやっぱりニンゲンらしいにおいがしない。どうしてだろうか。
「おまえたち、名前は何というんだ」
「……おれ、ティーダ。こっちはフリオニールっす」
「ティーダにフリオニールか。いい名だな」
 ただのニンゲンには、ティーダがにゃうと鳴いたようにしか聞こえないはずだ。けれどこの男は二匹の名を正確に呼んだ、そのことにフリオニールが信じられない、と絶句する。
「そう驚くことはない、細かいことを気にするな」
 そんなことよりおやつをどうだ、と言いながら男がパウチの封を切る。途端に広がったなんとも美味そうな香りに、育ち盛りのティーダもフリオニールも抗えなかった。
 男の膝に乗ってとろとろのおやつを舐めながら、ティーダは首を傾げた。
「なんでおれらの言葉わかるんすか?」
「長く生きていれば、そういうこともある」
 そう答えた男の長い髪が風にそよぐ。その目は二匹に向けられながらももっと遠くを見ているようで、ティーダとフリオニールは目を見合わせた。
「そんなことより、おまえたちのことを聞かせてくれ」
 この街にはどれくらいの猫がいて、どんな暮らしぶりなのか。二匹はどんなニンゲンに飼われていて、幸せなのか。いつもどんな遊びをしているのか。困っていることはないか。いろいろな質問に二匹は代わる代わる答える。フリオニールの怪我が皇帝サマのせいだと聞いて、男はなるほど、と顎に手をやった。
「まったく懲りないやつだな、マティウスも」
「知ってるんすか?」
「少しだけな」
 そのうち何とかしてやるから辛抱しろ、とことさらに優しく撫でられて、フリオニールはもぞもぞと尻尾を丸めた。飼い主の方に話をつけに行くのか、とティーダが訊くと、その問いには笑うだけで答えてくれなかった。
「この家はおまえたちの間で有名らしいな」
「ああ、ひげを生やしたニンゲンが親切だと」
「ごはんに困ったらここに来るといいって、みんな知ってるっす」
「なるほどな……あいつに伝えておこう、きっと喜ぶ」
 そうこうしているうちに、いつの間にか日が暮れ始めていた。太陽の光がはちみつ色に溶けて、空気が冷たくなり始めている。そろそろ帰らなければ、クラウドは「しごと」で今日も遅くなるかもしれないが、フリオニールがセシルに叱られてはかわいそうだ。
 いとまを告げる前に、ティーダは思い切って一番気になっていた疑問をぶつけることにした。
「あのさ、あんた、ニンゲンじゃないんだろ?」 
 フリオニールも同じことを考えていたのだろう、赤い目の男のようすをじっと窺っている。男は動揺するわけでもなく二匹の背を撫でると、そうかもしれないな、と曖昧に呟いた。
「……千年、待ち続けた。千年の間にありとあらゆるものが変わっていった。しかし、変わらないものもある。何か分かるか」
 なぞなぞのような言葉に揃って考え込む二匹を、男の白い手がそっと促した。居心地のよい膝から滑り降りながら、答えを待つ。ひゅう、と吹き抜ける風に舞う黒い髪、その向こうに見慣れた何かを幻視して、ティーダはぱちぱちと瞬きをした。
「魂のかたちだ。それさえあれば、何度でも見つけられる。――さあ、もう帰れ。夜が来る」
 音もなく立ち上がった男の言葉に、ティーダもフリオニールも従うしかなかった。
 また来てもいいか、と訊くと、次はあいつがいる時に来てやってくれ、と微笑む。尻尾を振って別れの挨拶、門をくぐる瞬間にふと振り返ると、落日に照らされた男の背に黒い長い尻尾が揺らめいた気がした。

「不思議なひとだったな」
「そうっすね」
 夕日が長い影を落とす帰り道、二匹は四つ辻に立ち止まってもう一度、あの家のほうを振り返った。少し風が強くなってきた。道の反対側を子供たちが駆けてゆく。
「……千年か」
「どれくらい長いんだろ」
 フリオニールが言うには、野良たちの間に語り継がれる伝説があるのだという。いわく、千年生きた猫は望んだ姿になってもう千年を生きることができる。それが幸せなことなのか、あるいは呪いなのかは解釈の分かれるところだが、とにかく実際に千年を生きて願を叶えた黒猫がかつていたのだと。
「ティーダは、千年生きたら何になりたい?」
「おれ? そうだな……」
 猫の自分は気に入っているけれど、千年もこの姿で生きたなら別のものになってみてもいいかもしれない。鳥になって空を飛ぶのもいいし、魚になって水を泳ぐのもいい。けれど、せっかくなら――。
「おれはニンゲンがいいっす」
「そうなのか? ニンゲン、苦手なんだろう?」
「苦手だけど……でも、ニンゲンだったら、猫にはできないことできるだろ」
 たとえば「ばいく」を操ることとか、器用な指で美味しいごはんを作ることとか。ニンゲンは魚じゃないけど泳げるし、この間「てれび」で見た人間は空を飛んでいた。それに、二本足で立てるから両方の腕で誰かを抱き締めることもできる。
「おれ、ニンゲンになってフリオニールのこと、ぎゅっとしてやるっす」
「なんだそれ」
「クラウドにぎゅってしてもらうと嬉しいから、だからおれがフリオのことぎゅっとしてみたい」
 フリオニールとは尻尾を絡めあったり、寝ている上にのしかかったりしているけれど、抱き締めるのはこの身体では難しい。きっとあったかくてほっとして幸せだ。そう言うと、夕日に目を細めたフリオニールが笑った。
「それなら俺もニンゲンにならないとな」
「なんで?」
「だってそうじゃないと、おまえのことぎゅっとしてやれる奴がいないだろう?」
 千年も経ってしまったら、クラウドもセシルも今の姿ではいられないかもしれない。だからどっちもニンゲンになって、お互いを抱き締めてやるのだ。その考えは寂しくて、でも胸の奥に熱いものがじんわり滲むようで、ティーダは自分の瞳が潤むのを感じていた。
「もしかしたらあのひとも、そうだったのかもな」
「そうだな」
 黒い髪、深い紅い瞳。あのひとが千年生きた後の猫が姿を変えた存在なのだとしたら、彼は誰を抱き締めてやりたかったのだろう。考えなくたって分かるから、二匹は顔を見合わせて頷き合った。
「じゃあ、約束な」
「ああ、約束だ」
 ぽつぽつと街燈が灯り始めたからもう帰らなくてはならないのに、それでももう少しだけこのままでいたくて、ティーダとフリオニールは互いを抱き締める代わりに尻尾を繋いだ。