20220917

 どうもどうも。しばらく間が空きましたが健康に生きています。みなさまつつがなくお過ごしでしょうか。

 数年ぶりに日本に一時帰国しております。入国即美容室に駆け込み、伸びに伸び切った髪をさっぱりばっさり切ってもらいました。頭が軽い! シャンプーすぐ終わる! 髪すぐ乾く! 素晴らしい!
   レンタルwifiから繋いでいるせいなのかソフトウェアアップデートのせいなのか分かりませんが、twitterのリストが消失してしまい、大変に不便です。あと広告の量が優位に増えた。そしてだいたい不快。やってられん。
 一時帰国の際は可能な限り美味い蕎麦を啜るのが世の定めなのですが(世の定めではない)まだ1食しか摂取してません。まだまだ食うぞ、おれは、蕎麦を。芋焼酎と日本酒と紫蘇の実績は解除しました。

 帰国便の機内では、長らく積読にしてあった『Xと云う患者 龍之介幻想』(デイヴィッド・ピース/黒原敏行訳)を読みました。
 これは在日本の英国人作家が、芥川龍之介の生涯を龍之介(や同時代作家たち)の作品をモチーフにしながら辿る短編連作小説集でして、芥川作品の英訳をふんだんに改変・引用あるいはコラージュして組み立てられている、一風変わった一冊です。
 私が読んだのはその和訳版なのですが、これは原典(英語版)を読むべきだったな、という気持ちに終始しました。訳者あとがきによれば和訳の際は「戻し訳(英訳された芥川の文を再和訳すること)ではなく、芥川の文章へ戻した」とのことであり、それによって「芥川の文章」と「ピースの文章を英訳した文章」とが麻玉のように縺れ合う状態になっているわけです。これはこれで趣深いのですが、なまじ芥川の原典を知っているだけに一抹の座りの悪さを感じるというか、文章の緩急やリズムのズレ・ブレに気を取られてしまい、何だか落ち着かなかったので……。その違和感も作者・訳者の狙いなのかもしれませんが。
 小説の中身は、卑近な表現をすれば「芥川の作品および『芥川龍之介』の二次創作」という感じで(まあ手法と題材からしてそれ以外の何物でもないわけですが)わりと面白かったです。芥川をもう一度読み直したくなりましたね。そういう意味ではいい布教本ではないかと思います。
 芥川と信仰(キリスト教)を巡る作品を読んでいたら、前からうだうだ言っている「かつて敬虔なキルティア教の信徒だった閣下」の妄想が捗りました。この場合、私が書くのは何の二次(三次)創作なのでしょうか。

 そんなわけで、しばらくは飲み食いと旧交に明け暮れますので、更新は先送りとなります。覗いてくださっている方には申し訳ない……。私用のラップトップを持ってこなかったので、居住国に戻るまではまとまった更新は難しそうです。頭は自由なのでネタはいろいろと貯めておきたい。
 過去作へのemojiありがとうございます〜! いろいろと読んで頂けて、本当に励みになります。次回更新まで気長にお待ち頂ければ幸いです!